HIFU後のしびれは危険?いつまで?原因と医療機関受診の目安

「美容のためなら多少の痛みは…」と思ってHIFU施術を受けたけれど、数日経っても顔の一部がピリピリとしびれる感覚が続いている…

HIFU後のしびれを経験される方は少なくありません。顔には多くの神経が張り巡らされていて、HIFUの熱エネルギーがこれらの神経に一時的に影響することがあるようです。

「このしびれはいつまで続くの?」
「何か対処法はある?」
「病院に行った方がいい?」

そこでこの記事では、公開情報を基に、HIFU施術後のしびれの原因と対処法についてまとめてみました。同じ悩みを持つ方の参考になれば幸いです。

※本記事は医学的アドバイスではありません。症状がある場合は医師に相談してください。

目次

HIFUとしびれの関係 – なぜ起こるのか

HIFUは「High Intensity Focused Ultrasound(高密度焦点式超音波)」の略称で、皮膚の奥にある表在性筋膜(SMAS層)や脂肪層に熱エネルギーを照射し、たるみの改善やリフトアップ効果を得る施術です。

品川シーサイド皮膚・形成外科クリニックの情報によると「HIFU機器は設定した深さの組織を点状で非選択的に照射するため、理論的には神経や血管にも照射されることが考えられます」とされています。

つまり、照射時に熱エネルギーが皮膚の下を走行する神経に影響を与え、しびれが生じる可能性があるのです。

スキンリファインクリニックの公開情報では、「HIFUの照射深度が3.0mmおよび4.5mmの深い皮膚層をターゲットとした際、熱エネルギーにより神経損傷が生じることがあると説明されています。

HIFUによるしびれの特徴と種類

消費者庁の「コラムVol.2 エステサロン等でのHIFU施術にはリスクがあります」によると、HIFU施術による事故の7割が「顔」で発生し、熱傷や皮膚障害のほか、顔の神経損傷による麻痺・しびれなどが報告されています。

国民生活センターが公表した事例では、以下のようなケースが報告されています。

  • 「頬に照射した際に唇が痛くなった。3年経つが今でも痺れは残っている。」
    (30歳代・女性、末梢神経障害)
  • 「施術後に体がだるく睡眠後の夕刻に口が動かず呂律も回らない状態。約2週間はよだれ、咀嚼もうまくできず。右側の口が麻痺。」
    (40歳代・女性、右顔面神経麻痺)

大阪Houreisen美容皮膚科によると、「治療後、皮膚を触っても感覚が鈍くなっているような、しびれを感じることがあります。このしびれは、一時的な場合もありますが、そのまま改善がみられないこともあります」と述べられています。

しびれが起こりやすい部位と原因

スキンリファインクリニックの情報によると、特にしびれリスクが高い部位と関連する神経には以下のものがあります。

  1. 顔面神経側頭枝
    眉毛の外側、こめかみ付近にある神経。
    HIFUの熱エネルギーにより刺激されると、一時的な前頭筋麻痺が生じる可能性があります。
  2. 顔面神経下顎縁枝
    口角下から下口唇周囲の運動を司る神経。
    損傷すると、口角下~下口唇周囲に一時的な麻痺が生じることがあります。
  3. 眼窩下神経
    下眼瞼、鼻翼、上口唇の感覚を司る神経。
    刺激・損傷されると、上口唇周囲の感覚が一時的に鈍くなる可能性があります。
  4. 眼窩上神経・滑車上神経
    前頭部、前額部、上眼瞼などの感覚を司る神経。
    損傷されると頭部や前額部、頭皮の感覚が鈍くなる症状が現れることがあります。

これらの神経に対する影響は、以下の要因によって起こりやすくなります。

  • 出力設定が強すぎる場合
  • 皮膚が薄い部位への施術
  • 骨に近い部位への照射
  • 施術者の技術や知識不足

東京美容医療クリニックの情報では、「HIFUから照射された超音波が皮下組織に吸収される過程で、波の運動量が組織に伝わることで刺激が生じる」と説明されています。また「骨の真上からの照射は避けるべき」とも述べられています。

しびれが生じた場合の対処法

HIFU施術後にしびれが生じた場合、以下の対処法が公開情報から確認できます。

STEP
初期対応
  • 症状が気になる場合は、すぐに施術を受けたクリニックに連絡しましょう
  • 「HIFU施術では表面からは判断のつきにくい危害が発生することもあるため、自分がどのような施術を受けたのかを医師にきちんと伝える必要があります」と強調されています
    ー国民生活センターのアドバイス
  • 「顔のしびれ等があれば、すぐに医療機関を受診しましょう」と推奨されています
    ー消費者庁の情報
STEP
受診すべき医療機関

日本神経学会の公開情報によると、しびれの症状がある場合は神経内科(脳神経内科)を受診することが推奨されています。診察では以下のようなプロセスが一般的です。

  1. しびれの範囲や性質に関する問診
  2. 神経学的診察
  3. 必要に応じて画像検査や神経伝導検査
STEP
自宅での注意点

かわい皮膚科クリニックなど複数の医療機関サイトで共通して言及されている注意点として

  • 施術後は炎症を起こす可能性があるため、マッサージなどで皮膚を強くこすらない
  • 紫外線ダメージを避けるため、日焼け対策を徹底する
  • 適切な保湿ケアを行う

HIFUによるしびれリスクを最小化するために

消費者庁の「施術を受けるに当たってのチェックポイント」を参考に、以下の点に注意することでリスクを軽減できる可能性があります。

  1. 施術前の十分な説明
    使用する機器や、リスク・副作用についての説明を受け、納得した上で施術を受けることが重要です。
  2. 医療機関での施術
    国民生活センターは「HIFU施術による侵襲行為は、医師の医学的知識や技能を必要とする施術であり、医師以外の者による施術は絶対に受けてはいけません」と警告しています。
  3. 体調や既往歴の申告
    施術前のカウンセリングで、持病や服用中の薬、アレルギーなどを正確に伝えましょう。

経済産業省による注意喚起(令和5年3月)では、「HIFU施術は人体に危害を及ぼすリスクが高い施術であり」と指摘されています。

特にエステサロンでの施術については慎重な検討が必要です。

HIFUのしびれに関するよくある質問

HIFUによるしびれはどのくらいで治りますか?

品川シーサイド皮膚・形成外科クリニックの情報によると「しびれ感(額、口囲)や皮下出血が生じることは極めて稀で、2日~6週間で自然軽快します」とされています。ただし、個人差があり、症例によっては長期化することもあるようです。

どんな症状が出たら病院を受診すべきですか?

消費者庁の情報によると、顔のしびれ、麻痺感、痛みが継続する場合は早めに医療機関を受診すべきとされています。

しびれを予防するにはどうしたらよいですか?

複数の医療機関サイトの情報から、信頼できる医療機関での施術、適切な出力設定での施術、施術者の技術と知識が重要とされています。

まとめ

HIFU施術後のしびれは、熱エネルギーが神経に影響を与えることで生じる可能性があります。多くの場合は一時的なものですが、場合によっては長期化することもあります。

しびれを感じた場合は自己判断せず、施術を受けた医療機関や神経内科を受診することが重要です。また、施術を受ける前には、医師の知識と経験、施術内容やリスクについて十分に説明を受け、理解した上で進めることをおすすめします。

情報源

本記事は消費者庁、国民生活センター、経済産業省の公開情報および各医療機関の公開情報に基づいて作成しています。(2024年5月時点)

注意事項: 本記事の情報は医学的アドバイスではありません。実際に症状がある場合は、必ず医師に相談してください。また、記事内容は情報源の公開時点のものであり、最新の医学的知見とは異なる可能性があります。

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