アイシャドウを塗った日に、まぶたが赤くなる。かゆくなる。金属アレルギーを疑って成分表を見ても、避けたい金属の名前はどこにも見当たらない。
実際、皮膚科でよく名前が挙がるニッケル・コバルト・クロムは、読んだ成分表のどこにも書かれていませんでした。書かれているのは酸化鉄・酸化チタン・マイカのほうで、こちらは入っていない色が1つもありません。
セザンヌ公式の現行8ライン27色に、ちふれとキャンメイクが公開している色を足して、1色ずつ読んだ結果です。
つまり、この3つで選び分けることはできません。成分表で実際に差がつくのは、別の2語です。ラメ・パールをつくる酸化スズと、名前に金属がそのまま出てくる「銀」。
目元の反応でラメが名指しされるのをよく見かけますが、原因が本当にそこかは分かりません。ただ、この2語なら手元で確かめられます。
やることは、手持ちのパッケージで成分表から「スズ」と「銀」を探すだけです。読んだ27色のうち、どちらも書かれていなかったのは4色でした。
ただし、まぶたの反応の原因が金属とは限りません。こすり方や落とし方、別の成分のこともあります。ここでできるのは、成分表で確かめられる範囲を示すところまでです。
酸化鉄が入っていないアイシャドウは、見つかりませんでした
「酸化鉄が入っていないアイシャドウはありますか」という質問は、検索でもよく出てきます。セザンヌ公式の全成分表示で27色番を読んだ結果でいうと、答えは1つもありませんでした。酸化チタンとマイカも同じで、27色番すべてに表示がありました。
3つとも、色を作る土台だからです。酸化鉄が茶・赤み・黒を、酸化チタンが白と明るさを、マイカがのびと光を担当していて、この3つを抜くとパウダーアイシャドウの形が成り立ちません。
金属アレルギー対応をうたっているワイエスラボのアイシャドウにも、マイカ・酸化チタン・酸化鉄は入っています。同社は全成分10項目を公式サイトに掲載していて、そこに並んでいます。
つまり「金属由来の成分が入っていない品」を探す作業は、どこまで行っても終わりません。この探し方は、ここで切り上げたほうが早いです。
27色番の全成分に、その成分が書かれていた数
セザンヌの現行アイシャドウ8ライン・27色番を1色ずつ読んだ結果です。
※セザンヌ公式サイト「全成分:商品ラインナップ」の掲載内容を、編集部が1色番ずつ読んで数えたもの(2026年8月時点)。パレットはA・B・C・Dの区画ごとの表示をまとめて1色番として数えています。リニューアルで表示が変わることがあります。
ニッケル・コバルト・クロムという成分名は、27色番のどこにも出てきませんでした。ちふれ・キャンメイクの公式に載っている色にもありません。
成分表を全部読むまで不安だった、という声はよく見かけます。ここで読んだ範囲にかぎれば、「その名前が書かれた色番を選んでしまう」ことは起きませんでした。
では成分表で何が選べるのか。実際に差がついたのは2か所
27色番を並べて見ると、成分表は「どの色番も同じ土台+色番ごとに足されるもの」という構造をしています。差がつくのは、足されるほうです。
差が大きかったのは2か所。ラメ・パールをつくる成分と、名前に「銀」が入る成分です。どちらも、入っている色番と入っていない色番がはっきり分かれます。
アイシャドウの成分表は、3つの層でできています
読んだ27色番すべてに書かれていた土台
色と明るさとのびを担当する部分。例外は1色番もありませんでした。ここを避ける探し方は成立しません。
ラメ・パールと一緒に足されるもの
酸化スズは20色番にあり、7色番にはありません。きらめきの強い色番ほど、この層が厚くなります。
「銀」がそのまま書かれているもの
27色番のうち3色番。ちふれの一部の色にも「銀」の表示があります。名前で見分けられる層です。
※グンジョウ・コンジョウ・タルクは、名前からは何が入っているか読み取れません。数値は2026年8月時点の各社公式の全成分表示にもとづく編集部の整理です。
ラメを減らすと、成分表の並びは実際に短くなる
目元が反応するときの犯人としてラメが名指しされるのを、よく見かけます。原因が本当にそこかは分かりませんが、ラメの少ない色番のほうが、成分表に並ぶ色材(色をつくる成分)が実際に少ないのは確かでした。
酸化スズも「銀」も表示がなかったのは、27色番のうち4色番でした。セザンヌ以外から1品を足して並べます。商品名を押すと、それぞれの解説に移動します。
ここに書いた成分は、すべて2026年8月時点で各社公式が公開している表示にもとづくものです。化粧品はリニューアルで処方が変わることがあり、同じ商品名・同じ色番でも表示が変わる場合があります。
購入前には現物の全成分表示を確認し、判断に迷う点があれば製造元へ問い合わせてください。すでに目元に症状が出ている場合は、自己判断せず皮膚科・眼科にご相談ください。
| 商品・色番 | 公式の全成分で確認できたこと | 定価 |
|---|---|---|
| セザンヌ トーンアップアイシャドウ 08 ハニーブラウン | 酸化スズ・銀・グンジョウ・赤226とも表示なし | ¥638 |
| セザンヌ トーンアップアイシャドウ 11 トープブラウン | 酸化スズ・銀は表示なし(グンジョウ・赤226はあり) | ¥638 |
| セザンヌ シングルシャイニーアイシャドウ 01 ムーンジェム | 全成分16項目。酸化スズ・銀の表示なし | ¥550 |
| セザンヌ シングルカラーアイシャドウ 01 パールベージュ | 色材6項目。酸化スズ・銀・赤226の表示なし | ¥440 |
| キャンメイク パーフェクトマルチアイズ | 公式が「ラメなしマット」と明記。酸化スズ・銀の表示なし | ¥858 |
セザンヌ トーンアップアイシャドウ 08 ハニーブラウン(¥638)
08は、27色番のなかで色材の並びがいちばん短かったグループの1つです。明るいベース面(A)はマイカ・酸化チタン・酸化鉄の3つだけ。中間色と締め色(B・C)でも、これにホウケイ酸(Ca/Al)が加わるだけでした。
ほかの色番に出てくる酸化スズ、グンジョウ、赤226は、この色番には表示がありません。同じ商品でも10・11には赤226があるので、色番で中身が変わることがそのまま見える例になっています。
トーンアップアイシャドウ自体は、@cosmeでクチコミ4,855件・評価4.5がついている定番の3色パレットです。08は黄みのあるハニーブラウンで、大人の目元にも沈まない明るさがあります。
- 08には「取り扱い店限定」の表示があり、置いていない店舗があります
- ラメではなく細かいパールの入った色番です。パール自体をゼロにしたい場合は、キャンメイク パーフェクトマルチアイズのほうが近くなります
セザンヌ トーンアップアイシャドウ 11 トープブラウン(¥638)
トーンアップアイシャドウのなかで、08が店舗限定で手に入らないときの代わりです。こちらも酸化スズ・銀の表示はありません。ベース面(A)はマイカ・酸化チタン・酸化鉄が中心で、中間色と締め色(B・C)でホウケイ酸(Ca/Al)が加わります。
ただし11には、グンジョウと赤226の表示があります。くすみのあるトープを作っている部分で、08より色材の数は増えます。
色みは灰みがかったブラウン。ブラウンが浮いて見える日でも落ち着いてまとまるので、08とは使いどころが違います。
セザンヌ シングルシャイニーアイシャドウ 01 ムーンジェム(¥550)
ツヤを足したい日の単色シャドウ。全成分が16項目しかなく、色材はホウケイ酸(Ca/Al)・マイカ・酸化チタン・酸化鉄の4つです。酸化スズも銀も、赤226もありません。
ガラスパール・偏光パールを配合しています(セザンヌ公式)。光る系でありながら、色材の数は27色番のなかでも少ないほうでした。光を足したいけれど成分の数は増やしたくない、という時に噛み合います。
もう一方の02 サクラプリズムには酸化スズとグンジョウの表示があるので、同じ商品でも01とは中身が違います。
単色なので、これだけでアイメイクは完成しません。ブラウンのパレットに重ねる、まぶたの中央にだけ置く、という使い方になります。
セザンヌ シングルカラーアイシャドウ 01 パールベージュ(¥440)
表に挙げたなかで、いちばん安い候補です。色材はマイカ・シリカ・酸化チタン・合成フルオロフロゴパイト・酸化鉄・水酸化Alの6つで、酸化スズ・銀・赤226の表示はありません。
同じ商品の04 クリアラメと09 グレイッシュブラウンには酸化スズの表示があります。3色のうち、01だけが外れている形です。
肌なじみのいいベージュで、まぶた全体の下地として置く色。¥440という値段なので、成分表を見ながら選び直すときの1個目にしやすいところがあります。
キャンメイク パーフェクトマルチアイズ(¥858)
セザンヌ以外から1つ。キャンメイク公式が「ラメなしマットな5色入りアイシャドウパレット」と明記している数少ない商品です。公式掲載の全成分にも、酸化スズと銀の表示はありませんでした。
ただし、ラメなしでも合成フルオロフロゴパイト(合成マイカ)は入っています。マットだからといって、光る素材が全部消えるわけではないという例です。グンジョウ・赤226・赤202の表示もあります。
現行は03 アンティークテラコッタ、05 アーモンドモカ、08 スリーズショコラ、09 ロゼパンナコッタの4色。@cosmeではクチコミ851件・評価4.9がついています。
注意したいのは、キャンメイク公式が色番ごとの全成分を出していないこと。掲載されているのは代表色1色分で、他の色番については確認できていません。
マットの5色は、まぶたの色ムラをそのまま拾いやすい面もあります。発色が濁って見えるなら、色補正できるアイシャドウベースで土台を整えてから乗せると変わります。
成分表に「銀」と書かれている色番もあります
「銀」の表示があったのは、27色番のうち3色番でした。入っているから悪い、という意味ではありません。名前で分かる数少ない場所なので、避けたいなら見分けられます。
- セザンヌ ライティングアップアイシャドウ 01・02・03(¥693)/全成分に「ケイ酸(アンモニウム/銀/亜鉛/Al)」の表示。セザンヌで銀の表示があったのは、このラインだけでした
- ちふれ シングル カラー アイシャドウ(¥770)/@cosmeの商品ページに掲載されている全成分に「銀」の表示。あわせて酸化スズ・ホウケイ酸(Ca/Al)もあります
- ちふれ グラデーション アイシャドウ 06 グレー系(¥693)/同じく着色成分に「銀」「酸化スズ」の表示
ちふれのこの2つは、@cosme SHOPPINGの商品ページに全成分が載っていて確認できました(シングル カラーは掲載されていた102 ピンク系の表示です)。ほかの色番は個別に見てください。
逆にいうと、名前から金属が読み取れない色材もあります。グンジョウ、コンジョウ、タルクは、表示を見ても中身までは分かりません。判断がつかない時は製造元に聞くのが早いです。
メーカーの言っていることが、そもそも一致していません
酸化鉄・酸化チタン・マイカについて、化粧品会社の公式サイトの説明が割れています。
ワイエスラボは、アイシャドウを含むメイクアップ品について、公式にこう説明しています。
「すべての金属をコーティングしており、汗をかいたり、紫外線に当たってもはがれないコーティングですので、金属類が直接お肌に触れることもございません」。マイカ・酸化鉄・酸化チタンを挙げたうえでの説明です。
一方、ハウス オブ ローゼの公式FAQは、ニッケル・クロム・コバルトといった金属について「ニッケル、コバルトはもちろんのこと、その他の金属も配合されていません」としています。そのうえで酸化鉄・酸化亜鉛・酸化チタンについては、「金属アレルギーの原因とはなりません」と明記しています。
どちらが正しいかを、この記事で決めることはできません。ただ、情報が割れているせいで探しても答えが出ない、という状態自体は説明がつきます。
コーティングをうたう品を選ぶのはひとつの手ですが、それも「金属由来の成分が入っていない品」ではありません。ワイエスラボのアイシャドウ(リフィル・¥1,430・公式サイトの直販)にも、酸化鉄も酸化チタンもマイカも入っています。
自分の場合はどうなのかは、皮膚科での検査やメーカーへの問い合わせでしか分かりません。
この記事でできないこと
- 「これなら反応が出ない」とは言えません。書けるのは、成分表に何が書かれているか・書かれていないかという事実だけです
- 原因の特定はできません。何に反応しているかを調べられるのは皮膚科での検査です。目元にかゆみ・腫れ・ただれが出ている場合は受診してください
- 調べられたのは一部です。色番ごとの全成分を公開しているブランドが限られるため、読めたのはセザンヌ27色番と、ちふれ・キャンメイクの公式に載っている色です
- リニューアルで変わります。商品名や色番が同じでも処方が変わることがあり、この記事の内容は2026年8月時点の表示です
- 不純物までは分かりません。全成分表示に書かれるのは配合した成分で、それ以上のことは表示からは読み取れません
「今まで普通に使えていたのに、急に合わなくなった」という声は、何年も出続けています。そのたびに¥2,000〜4,000台のミネラル系ブランドが挙がって終わっているのを見て、プチプラ側を色番まで読んでみたのがこの記事です。
よくある質問
本記事は、セザンヌ化粧品・キャンメイク・ワイエスラボ・ハウス オブ ローゼの各公式サイトが公開している全成分表示およびFAQと、@cosmeの商品情報・クチコミを編集部が確認して整理したものです。特定の商品を使用した体験レビューではありません。成分・定価・販売状況は2026年8月時点の公開情報にもとづきます。
最終更新:2026年8月
本記事は特定の成分の安全性や、アレルギー反応の有無を保証するものではありません。目元に異常がある場合は使用を中止し、皮膚科・眼科を受診してください。





