下地を伸ばした指先に、白いカスが集まる。いわゆるモロモロです。朝の限られた時間にこれが出ると、塗り直すかそのまま出るかの二択になります。
調べると「なじませてから塗りましょう」ばかりが出てきます。なじませているのにモロモロが出る、という段階の話には誰も答えてくれません。
先に結論です。モロモロが出るかどうかは、下地1本だけでは決まりません。ただしモロモロの材料を多く持つ下地と、ほとんど持たない下地の差ははっきりあって、買う前に成分表示で見分けられます。
下地を替える場合、どれを選べばいいかも決まります。決め手は、自分のスキンケアが何で終わるか。化粧水やジェルで終わるか、乳液やクリームで終わるかで、合う下地が変わります。
この記事では、人気3品の全成分表示を、書いてある順番のまま1つずつ読み比べました。
ラ ロッシュ ポゼの「UVイデア XL プロテクショントーンアップ」、マキアージュの「ドラマティックスキンセンサーベース NEO」、メイベリン ニューヨークの「フィットミー プライマー」の3本です。
3本は、モロモロの材料の量だけでなく、種類も違いました。とろみを作る成分が多い1本、粉が多い1本、どちらもほとんど入っていない1本です。
いつ出るかで、直す場所が変わる
最初にやることは、下地選びではありません。モロモロが朝のどの段階で出ているかを、一度だけ思い出します。出るタイミングで、直すべき場所が変わるからです。
モロモロが出るタイミングで、直す場所が決まる
今朝どこで出たかを思い出してから読んでください
スキンケアの段階で、もう出る
直す場所
下地は関係ありません。化粧水・美容液・乳液の組み合わせか、乾燥で硬くなった肌の側です
下地を塗った時点で出る
直す場所
下地と、その直前に塗った物の組み合わせ。塗り方と待ち時間も効きます
この記事の本題ファンデや粉をのせてから出る
直す場所
上の層です。下地を買い替えても変わりにくいところ
※どの段階でも出る場合は、CASE 1 から順に外していくと早く終わります。
この記事がこれから扱うのは、CASE 2 の「下地を塗った時点で出る」場合です。
CASE 1 と CASE 3 に当てはまるなら、下地を買い替えてもモロモロは止まりません。スキンケアを1品減らすか、ファンデーションの量を見直すほうが早く終わります。
白いカスの正体は、はがれた化粧品の膜。角質が混ざることもある
白いカスの多くは、肌から出たものではありません。化粧品の成分が肌の上で膜になり、その膜が摩擦ではがれて丸まったものです。
化粧品の成分が膜になり、こすれてはがれる
ヒアルロン酸やカルボマーのように保湿力の高い高分子が、皮膚の上に膜をつくります。その膜は、摩擦や重ね塗りで物理的にはがれます(美容メディアVOCE/スキンケア成分ハンター・竹岡篤史さん)。
もうひとつの材料が、粉です。酸化亜鉛や酸化チタンを使った日やけ止めは粉の量が多く、モロモロが出やすい傾向があります(VOCE)。
ジメチコンなどのシリコンも、肌がまだペタペタしている段階で重ねるとはがれやすくなります(VOCE)。分子量の大きいヒアルロン酸やコラーゲンは、角層まで入りきらずに肌の表面に残ります(LIPS)。
ヒアルロン酸、カルボマー、コラーゲン、シリコン。名前も系統もばらばらです。共通しているのは、肌の上でとろみと膜を作ることでした。
だから成分表示を見るときは、その成分がシリコンかどうかより、膜になる成分がいくつ入っているかを数えるほうが、モロモロの出やすさに当たります。
乾燥で硬くなった肌から、古い角質が出ることもある
白いカスの原因が、肌の側にあることもあります。乾燥した状態が続いて古い角質がたまり、肌が硬くなっていると、なじませるときの軽い摩擦でも古い角質がモロモロとして出てきます(オルビス公式)。
化粧品の膜と古い角質、どちらが原因かは、モロモロが出るタイミングで見当がつきます。
スキンケアだけを塗った段階でもう出ているなら、スキンケア同士の組み合わせか、肌の側。下地を塗ってから出るなら、化粧品の膜のほうです。
毎朝きまってモロモロが出て、ごわつきや粉ふきも感じているなら、下地を替える前に保湿とやさしい洗い方から見直すほうが近道になります。
出やすい下地は、買う前に成分表示の3か所で見分けられる
膜を作る成分も、酸化チタンや酸化亜鉛といった粉も、すべて全成分表示に名前が載ります。パッケージの裏か、通販ページの全成分欄を見れば、買う前に見当がつきます。
ひとつだけ、先にやっておくことがあります。家を出る前に、いちばん最後に塗るスキンケアの全成分1番目を見ておくこと。乳液でもクリームでも構いません。
その1番目が、店頭で下地の全成分と見比べる相手になります。
全成分欄の、どこを見るか
実際の表示はこう並んでいます
水、シクロペンタシロキサン、グリセリン、酸化チタン、BG、エタノール、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル)コポリマー、トコフェロール、カルボマー、水酸化K、フェノキシエタノール、キサンタンガム、香料
- CHECK 1
いちばん最初の1語だけ見る。水なら さっぱり型、ジメチコンやシクロペンタシロキサンなど油の名前なら こってり型。最後に塗るスキンケアと揃っていれば出にくい側
- CHECK 2
膜を作る名前を数える。カルボマー/キサンタンガム/ヒドロキシエチルセルロース/◯◯コポリマー・クロスポリマー/ヒアルロン酸Na/水溶性コラーゲン。この6つが並ぶ数だけ、材料が多い
- CHECK 3
酸化チタン・酸化亜鉛があるか。入っている数と、前半(配合量の多い側)に来ているかを見る
※架空の表示例です。実在の商品の表示ではありません。
※6つの名前を覚える必要はありません。全成分欄をスマホで撮っておいて、あとで見比べれば足ります。
※材料が入っていても必ず出るとは限りません。
全成分欄を読むときの前提が、ひとつあります。成分は配合量の多い順に並びますが、配合量が1%以下の成分は順不同で書かれます。
つまり、順番が意味を持つのは前半だけです。後半に出てくる名前は何番目かを気にせず、入っているかどうかだけを見ます。CHECK 2 は名前の数を数えるだけなので、順番の影響を受けません。
CHECK 1 が効く理由も書いておきます。水が1番目の物と油が1番目の物を、なじむ前に重ねると乳化が不安定になり、モロモロが生じます(VOCE)。
だから、下地の全成分1番目は、その直前に塗る物の1番目と揃えます。
人気3品の全成分を、3つのチェックで読み比べた
先に断っておきます。これから見る3本は、どれも紫外線吸収剤を使っています。紫外線吸収剤不使用(ノンケミカル)の下地を選んできたなら、3本とも選択肢に入りません。
紫外線吸収剤を避けている場合にできることは、「紫外線吸収剤を避けている場合」にまとめました。3つのチェックのうち2つは、吸収剤不使用の下地を選ぶときにも使えます。
各社が公開している全成分表示を、書いてある順番のまま3つのチェックに当てはめた結果です。表の商品名をタップすると、それぞれの解説へ移動できます。
| 商品(定価・税込) | 全成分の1番目 | 3つのチェックの結果 |
|---|---|---|
| ラ ロッシュ ポゼ UVイデア XL プロテクショントーンアップ ホワイト ¥3,960 | 水 =さっぱり型 | 膜を作る成分3つ コポリマー・カルボマー・キサンタンガム 酸化チタンが前半に1つ |
| マキアージュ ドラマティックスキンセンサーベース NEO ヌーディーベージュ ¥2,970 | ジメチコン =こってり型 | 膜を作る成分2つ アセチルヒアルロン酸Na・水溶性コラーゲン 酸化亜鉛と酸化チタンで2つ(酸化亜鉛は4番) |
| メイベリン ニューヨーク フィットミー プライマー 01 ¥1,859 | 水 =さっぱり型 | 膜を作る成分1つ アクリル酸系のコポリマー 酸化チタン・酸化亜鉛はなし |
モロモロの材料がいちばん少なかったのは、いちばん安いメイベリンでした。値段の順と逆です。
残る2本、ラ ロッシュ ポゼとマキアージュは、材料の多い少ないではなく、持っている種類が違います。
ラ ロッシュ ポゼは膜を作る成分が3つ。マキアージュは膜を作る成分が2つと少ないかわりに、酸化亜鉛と酸化チタンの両方が入っています。
ラ ロッシュ ポゼ UVイデア XLでモロモロが出るのはなぜ?
膜を作る成分と、粉。モロモロの材料が2種類とも1本に入っているからです。
ホワイトの全成分は、水が1番目のさっぱり型です。そこにアクリルアミド系のコポリマー、カルボマー、キサンタンガムが並び、粉の酸化チタンが3番目に入っています。
3本の中で、膜を作る成分をいちばん多く持っている構成です。膜が多いぶん、前に塗った物とこする力の影響を受けやすくなります。
スキンケアが乾ききる前に重ねる、手のひらで往復させて伸ばす、量を多めに出す。どれか1つでモロモロが出ることがあります。
それでも長く選ばれてきた1本です。30mLで3,960円(税込)、SPF50+・PA++++。@cosmeでは評価5.3・クチコミ9,192件で、ベストコスメアワードのベスト化粧下地に2019年2位・2020年2位・2021年3位と入賞を重ねています。
ラ ロッシュ ポゼを使い続けたい場合、できることは3つあります。
- スキンケアの表面のぬめりが消えるまで待つ……スキンケアがなじむ前に下地を重ねると乳化が不安定になり、モロモロが生じます(VOCE)
- 手のひらで往復させない……顔に点で置いてから、押さえるように広げる。オルビス公式も、できるだけ少ない回数のストロークで仕上げるよう案内しています
- 上に重ねる物はスポンジでたたく……こする動きが減るぶん、成分が固まる機会そのものが減ります
ここまで見てきたのは、ホワイトの全成分です。ローズ+やクリアなどの色違いは処方が異なります。
マキアージュ NEOはモロモロが出にくい?
膜を作る成分が少ない点では、出にくい側です。ただし粉は前半に入っています。そして3本のうち、マキアージュ NEO だけが油から始まる下地でした。
ヌーディーベージュの全成分は、ジメチコン、水、セバシン酸ジイソプロピル(油)、酸化亜鉛、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル(紫外線吸収剤)という順に始まります。
膜を作る成分は、CHECK 2 の名前で数えるとアセチルヒアルロン酸Naと水溶性コラーゲンの2つ。3本の中では少ないほうです。
そのかわり粉は多めです。酸化亜鉛が4番目、シリカが6番目、酸化チタンが14番目に入っています。スキンケアのとろみが肌に残ったまま重ねると、その膜の上に粉がのることになります。
公式の使い方も「2〜3回振ってからご使用ください」から始まります。振らずに使うと中身の比率が偏るので、振る工程は省かないほうが無難です。
25mLで2,970円(税込)、SPF50+・PA++++。LIPSでは4.25・2,069件で、崩れにくさへの評価が集まっている1本です。
スキンケアの最後がクリームやオイルなら、下地と同じく油が1番目で揃うので、相性がよくなります。化粧水とジェルで終わるならタイプが逆になるので、なじませる時間を長めにとってから重ねてください。
ここまで見てきたのは、ヌーディーベージュの全成分です。同じNEOでも酸化チタンの位置は色によって変わり、ラベンダーは9番目、ミントは12番目に出てきます。
メイベリン フィットミー プライマーなら出ない?
モロモロの材料は、3本の中でいちばん少ない1本です。それでも「モロモロが出る」というクチコミはあります。ゼロにはなりません。
全成分の1番目は水。膜を作る成分は、CHECK 2 の名前で数えるとアクリル酸系のコポリマーが1つだけです。カルボマーもヒアルロン酸Naもコラーゲンも入っていません。
紫外線防御は吸収剤だけで組まれています。3本の中で、酸化チタンと酸化亜鉛がどちらも入っていないのは、フィットミー プライマーだけです。
ただし粉がゼロというわけではありません。シリカとシリル化シリカが前半に入っていて、カオリンも含まれます。CHECK 3 が見ているのは、粉のうち酸化チタンと酸化亜鉛の2つだけです。
LIPSには、モロモロが出る、キシキシするという声があります(編集部による要約)。評価も割れていて、@cosmeは3.7・577件、LIPSは3.64・687件です。
材料がいちばん少ないフィットミー プライマーでモロモロが出るなら、原因は下地ではありません。その手前のスキンケアか、こすり方です。
- SPF20。夏の外出や長時間の日差しには足りません。日常用と割り切る品です
- テクスチャーの感じ方が割れています。伸びが良いという声と、粘りがあって重いという声の両方があります(@cosme/LIPS)
- 目にしみて痛かったという声があります(LIPS)
30mLで1,859円(税込・メーカー希望小売価格)、SPF20。3本の中では、いちばん手が届きやすい価格です。
で、どれに替えればいい?
決め手は値段でも人気でもありません。いちばん最後に塗るスキンケアが、水寄りか油寄りかです。そのスキンケアと下地で、全成分の1番目を揃えるところから始めます。
- 化粧水・美容液・ジェルで終わる(水寄り)……全成分の1番目が水の下地に揃えます。3本なら、材料がいちばん少ないメイベリン フィットミー プライマー
- 乳液・クリーム・オイルで終わる(油寄り)……1番目が油のマキアージュ NEO。3本でこれだけがこってり型です
- 水寄りだけど、日中しっかりUVが要る……SPF20では足りないのでラ ロッシュ ポゼ UVイデア XL。そのかわり「待つ」「往復させない」の2つを必ず足します
下地を替えてもモロモロが止まらないことがあります。理由は4つです。
- 高機能な下地ほど材料が増える……崩れにくさ、うるおい、UV防御を1本で担うほど、膜を作る成分と粉の両方が必要になります
- 下地より手前が変わらなければ、結果も変わらない……原因が最後のスキンケアにあるなら、そのスキンケアを1品減らすほうが早く済みます
- 肌の側に理由がある……乾燥で古い角質が硬くなっている場合は、下地の選び直しでは動きません
- ファンデーションや仕上げの粉が原因のこともある……上を重ねた瞬間に出るなら、疑う場所が違います
紫外線吸収剤を避けている場合
CHECK 3 が見ているのは、モロモロが出やすいかどうかだけです。肌に合うかどうかは別の話で、この記事では判断できません。紫外線吸収剤を避けてきた理由があるなら、そのままでいいと思います。
そのうえで、3つのチェックのうち2つはそのまま使えます。CHECK 1 の「全成分の1番目」と、CHECK 2 の「膜を作る名前の数」です。
酸化チタン・酸化亜鉛で組まれた下地は粉が多くなりますが、同じ吸収剤不使用どうしでも、膜を作る成分の数はばらばらです。
全成分の1番目が自分のスキンケアと揃っていて、CHECK 2 の名前が少ないものを選ぶ。この2つのチェックは、吸収剤不使用の下地を選ぶときにも同じように使えます。
そのうえで、いちばん効くのは下地選びではなく、次に書く「重ねる順番」のほうです。
下地を替えずに直すなら、重ねる順番を変える
下地を買い替える前に効くのが、塗る順番です。膜を作る成分から粉へ向かって並べます(VOCE)。
まず化粧水・美容液・乳液(膜)、次に日やけ止めと下地(油分)、最後にファンデーションとパウダー(粉)。膜から粉へという並びを崩さないだけで、成分が固まる機会が減ります。
いちばん大事なのは、膜と油分のあいだです。スキンケアの表面のぬめりが消えるまで待ちます。この待ち時間を飛ばすと、そのあと何をしても固まりやすくなります。
2つめが、全成分の1番目を揃えることです。使う物すべてを揃えるのは現実的ではないので、肌にのせる量がいちばん多い2つ、つまり最後のスキンケアと下地だけでも合わせると効きます。
3つめが、日やけ止めと下地の重ねすぎです。SPFを持っている下地なら、その上に日やけ止めを足す必要は必ずしもありません。
層が1つ減れば、固まる機会も1つ減ります。
モロモロが出てしまった後は、化粧水か乳液をコットンに含ませて拭き取り、そこから塗り直します(VOCE/ヘア&メイクアップアーティスト・金澤美保さん)。指でこすって落とすより早く済みます。

よくある質問

編集部の注記
本記事は、3品の全成分表示を書いてある順番のまま1つずつ読み比べ、あわせて美容メディアVOCE(スキンケア成分ハンター・竹岡篤史さん/ヘア&メイクアップアーティスト・金澤美保さん)、LIPS、オルビス公式サイトの解説と、@cosme・LIPSのクチコミを読み比べて整理したものです。特定の商品を使用した体験レビューではありません。全成分を読み比べた対象は、ラ ロッシュ ポゼはホワイト、マキアージュはヌーディーベージュ、メイベリンは01の表示で、モロモロの発生を保証・否定するものではありません。全成分のうち配合量が1%以下の成分は順不同で書かれるため、順番を根拠にしているのは前半の成分だけです。クチコミはすべて編集部による要約で、原文の引用ではありません。図解の全成分表示は架空の例です。掲載している価格は各社の定価(税込)で、販売店ごとの実売価格とは異なります。最終更新:2026年8月。





