下地を伸ばした指先に、白い消しカスのようなカスが集まる。朝の限られた時間にこれが出ると、塗り直すかそのまま出るかの二択になります。
調べると「なじませてから塗りましょう」ばかりが出てきます。なじませているのに出る、という段階の話には誰も答えてくれません。
先に結論です。モロモロが出るかどうかは、下地1本だけでは決まりません。ただし出やすい材料を多く持つ下地と、ほとんど持たない下地の差は確実にあり、それは買う前に成分表示で見分けられます。
この記事では、その見分け方を3つのチェックに落とし込んだうえで、人気の3品を実際に照合しました。
ラ ロッシュ ポゼ UVイデア XL プロテクショントーンアップ(3,960円)、マキアージュ ドラマティックスキンセンサーベース NEO(2,970円)、メイベリン ニューヨークのフィットミー プライマー 01(1,859円)の3本です。
結果を先に言うと、3本のうち1本だけ、全成分の1番目が水ではありませんでした。そこが、同じ下地の評価が真っ二つに割れる理由になっています。
モロモロの正体は角質ではなく、化粧品の成分がかたまったもの
美容メディアVOCEで、スキンケア成分にくわしい竹岡篤史さんが解説している記事(日やけ止めのモロモロがテーマ)によると、モロモロの多くは角質や皮脂ではなく「化粧品成分の塊」です。
同じ記事では、保湿のための高分子やシリコン、日やけ止めの粉(無機の紫外線防御剤)、乳化剤が名前として挙がっています。膜になる成分の上に油分と粉体が重なり、そこに摩擦が加わって固まる、という順序で説明されています。
LIPSの解説では、分子量の大きいヒアルロン酸やコラーゲンが肌の表面に残ることが挙げられています。あわせてジメチコン、カルボマー、ヒドロキシエチルセルロースの3つが、シリコン系の成分として名指しされています。
解説に共通しているのは、犯人が単独ではないという点です。とろみを作る成分の膜と、その上に重なる粉体や油分と、こする力。この3つがそろったときに固まります。
だから「下地Aは出る、下地Bは出ない」と一律には決まりません。同じ下地でも、前に何を塗ったか、どう伸ばしたかで結果が変わります。クチコミの評価が割れる下地ほど、この差が出ていると考えるとつじつまが合います。
なお肌の側に理由があることもあります。オルビス公式は、乾燥で古い角質がたまって硬くなった肌だと、軽い摩擦でもモロモロが出ると説明しています。前の日のメイクの落とし残りが混ざっている、という指摘も見かけます。
ただ、毎朝きまって出るなら、まず疑うのは肌より組み合わせのほうです。
出やすい下地・出にくい下地は、買う前に3つで見分けられる
ここがこの記事でいちばん伝えたい所です。上に挙げた「材料」は、すべて全成分表示に名前が出ています。つまり、パッケージの裏か通販ページの全成分欄を見れば、買う前に見当がつきます。
見るのは3か所だけです。
モロモロが出やすい下地を見分ける3つのチェック
パッケージ裏か、通販ページの「全成分」欄で確認できます
全成分の「1番目」は水? 油?
出やすい側前に塗る物とタイプが逆。スキンケアが水っぽいのに、下地はジメチコンなど油が1番目
出にくい側前に塗る物とタイプがそろっている
とろみ・膜を作る成分がいくつ入っている?
出やすい側カルボマー、キサンタンガム、○○コポリマー、ヒアルロン酸Na、水溶性コラーゲンが複数並ぶ
出にくい側この手の名前が1つあるかないか
酸化チタン・酸化亜鉛が入っている?
出やすい側どちらかが入っている。両方入る下地(紫外線吸収剤不使用をうたうもの)はとくに多い
出にくい側紫外線吸収剤だけ、またはUV機能なし
※美容メディアVOCE(スキンケア成分にくわしい竹岡篤史さんが解説)とLIPSの解説で挙げられていた成分をもとに編集部が整理したものです。材料が入っていても必ず出るとは限りません。
CHECK 1をもう少し説明します。全成分の1番目が水なら、水の中に油が散っているさっぱりタイプ。ジメチコンなど油の名前が1番目なら、油の中に水が散っているこってりタイプです。
VOCEの記事では、この2つのタイプを混ぜると乳化が不安定になり、モロモロが生じやすくなると説明されています。だから前に塗る物とタイプをそろえるのが基本になります。
手に取った感触でも見当はつきます。とろみが強くて透明感のあるジェル状、あるいは美容液のような質感はCHECK 2に当たりやすい。伸ばすとすぐさらりと乾く乳液・クリーム状は当たりにくい傾向です。
ただし、これは傾向であって保証ではありません。次で実際の3品を見ると、そこがはっきりします。
人気3品を、その3つで実際に照合した
公開されている全成分表示を、上の3つのチェックに当てはめた結果です。商品名から各商品の解説へ移動できます。
| 商品(定価・税込) | 全成分の1番目 | モロモロの材料になる成分 |
|---|---|---|
| ラ ロッシュ ポゼ UVイデア XL プロテクショントーンアップ ¥3,960 | 水 =さっぱり型 | カルボマー・キサンタンガム・コポリマー +酸化チタン(酸化亜鉛はなし) 多い |
| マキアージュ ドラマティックスキンセンサーベース NEO ¥2,970 | ジメチコン =こってり型 | 酸化亜鉛4番・酸化チタン12番 とろみを出す成分は少ない 中くらい |
| メイベリン ニューヨーク フィットミー プライマー 01 ¥1,859 | 水 =さっぱり型 | コポリマー1種のみ 酸化チタン・酸化亜鉛は不使用 少ない |
いちばん値段が高い1本が、いちばん材料を持っていました。そして3本のうちマキアージュだけ、全成分の1番目が油です。
ここから1本ずつ見ていきます。
ラ ロッシュ ポゼ UVイデア XLでモロモロが出るのはなぜ?
理由は、とろみを作る成分と粉体が、1本の中に同居しているからです。全成分(ホワイト)の1番目は水ですが、カルボマー、キサンタンガム、アクリルアミド系のコポリマーが並び、粉体の酸化チタンも3番目に入っています。
3つのチェックで言うと、CHECK 2 に当たる成分が複数、CHECK 3 も酸化チタンの片方が当たります(酸化亜鉛は入っていません)。3本の中では、いちばん材料を持っている構成です。
とはいえ、悪い下地ではありません。30mLで3,960円(税込)、SPF50+・PA++++で、@cosmeでは評価5.3、クチコミは9,186件。
ベストコスメアワードのベスト化粧下地でも2019年2位、2020年2位、2021年3位と入賞を重ねてきた定番です。むしろ長く支持されている1本です。
とろみを作って肌の上に膜を張る成分と、表面積の大きい粉体。オルビス公式が「絡まって固まる」と説明していた組み合わせが、1本の中に同居していることになります。
だから、この下地は前に塗った物とこする力の影響を受けやすい側です。スキンケアが乾ききる前に重ねる、手のひらで往復させて伸ばす、量を多めに出す。どれか1つでモロモロが出ることがあります。
手放したくない場合の手当ては3つです。
- スキンケアの表面のぬめりが消えるまで待つ……時間を置くだけで出なくなったという声がいちばん多い
- 手のひらで往復させない……顔に点で置いてから、押さえるように広げる。膜ができた所を何度もこすらない
- 上に重ねる物はスポンジでたたく……こする動きが減るぶん、固まる機会そのものが減る
なお、ローズやクリアなどの色違いは処方が少し異なります。上の照合は色名のないホワイトの全成分に基づくものです。
マキアージュ NEOは「出にくい」はずなのに、出たという声もある
ドラマティックスキンセンサーベース NEOは、モロモロが出にくい下地として名前が挙がることが多い1本です。いっぽうで、これで出たという相談も見つかります。
どちらも本当です。分かれ目は下地そのものではなく、その直前に何を塗って、どこまでなじませたかにあります。
理由は全成分の1番目にあります。資生堂公式が掲載している成分はジメチコン、水、セバシン酸ジイソプロピル、酸化亜鉛、メトキシケイヒ酸エチルヘキシルという順。油が先頭のこってり型です。3本の中でこれ1本だけが逆のタイプでした。
そして、とろみを作る水溶性の成分は前半にほとんど入っていません。丸まる材料が少ないぶん、下地単体では確かに出にくい設計です。
ただし粉体は入っています。酸化亜鉛が4番目で、酸化チタンは12番目。ほかにシリカやマイカも含まれます。手前の段階にとろみの膜が残っていると、そこに粉体が絡まる。出たという声は、たいていこの状況です。
公式の使い方も「化粧水などで肌を整えた後」と書かれていて、使用前に2〜3回振ってから使うよう案内があります。振らずに使うと成分の比率が偏るので、ここは省かないほうが無難です。
25mLで2,970円(税込)、SPF50+・PA++++。色はヌーディーベージュ、ラベンダー、ミントの3色(このほかマツキヨココカラ限定のバターイエローがあります)。
@cosmeでは評価5.1・クチコミ5,304件で、ベストコスメアワードの低価格部門メイクベースで2023年・2024年と2年続けて1位。LIPSでも4.25・2,037件と、崩れにくさの評価が高い1本です。
こってり型なので、スキンケアの最後がクリームやオイルという場合はタイプが近く、相性がよくなります。逆に化粧水とジェルで終わる場合は、なじませる時間を長めにとってから重ねるのが安全です。
材料をいちばん持っていないのは、メイベリン フィットミー プライマー
3本を並べたとき、モロモロの材料がいちばん少なかったのがこれです。30mLで1,859円(税込・メーカー希望小売価格)、SPF20。
全成分の1番目は水。とろみを作る成分はアクリル酸系のコポリマーが1種類だけで、カルボマーもヒアルロン酸Naもコラーゲンも入っていません。
紫外線防御も吸収剤だけで組まれていて、酸化チタンと酸化亜鉛のどちらも使われていないのが3本の中でこれだけです。
ただし粉体がゼロというわけではありません。シリカが6番目に入っていて、シリル化シリカとカオリンも含まれます。CHECK 3 で見ているのは、あくまで無機の紫外線防御剤(酸化チタン・酸化亜鉛)に限った話です。
ただし、ここは正直に書きます。LIPSのクチコミには、モロモロが出る、崩れたときに小鼻まわりにカスのようなものが付く、という声が実際にあります(編集部による要約)。
これは矛盾ではなく、この記事の結論そのものです。材料がいちばん少ない下地でも、前に塗った物としっかりこする動きがあれば出る。モロモロは下地1本の問題ではない、という証拠になっています。
評価も割れています。@cosmeは3.7・574件、LIPSは3.64・681件。前の2本のような圧倒的な数字ではありません。
- SPF20なので、夏の外出や長時間の日差しには物足りない。日常用と割り切る品
- 「こっくりしていて伸びにくい」という声が一定数ある。少量ずつ広げる前提
- 敏感肌でヒリつきを感じたという報告もある。肌がゆらいでいる時期には向かない
それでも、とろみを作る成分と無機の紫外線防御剤の少なさで選ぶなら3本の中ではこれです。1,859円なので、モロモロが下地側の問題かどうかを切り分ける道具としても使えます。
下地を替えずに直すなら、重ねる順番を変える
買い替える前に効くのが、塗る順番です。VOCEの記事では、膜を作る成分から粉体へ向かって並べるのが基本と説明されています。
モロモロが出にくい重ね方
膜をつくる物 → 油分 → 粉体、の順に並べる
膜をつくる物
化粧水・美容液・乳液。とろみのある物は重ねすぎない
油分
日やけ止め・化粧下地。こすらず、押さえるように広げる
粉体
ファンデーション・パウダー。スポンジやブラシでたたく
STEP 1 と 2 のあいだで表面のぬめりが消えるまで待つ。ここを飛ばすと、後ろで何をしても固まりやすくなります
※美容メディアVOCE(スキンケア成分にくわしい竹岡篤史さんが解説)とLIPSの解説をもとに編集部が整理したものです。
もうひとつが、乳化タイプをそろえることです。上のCHECK 1で見た「水が1番目か、油が1番目か」を、スキンケアと日やけ止めと下地でなるべく合わせます。
全部そろえるのは現実的ではないので、いちばん量が多い2つ、つまり最後のスキンケアと下地だけでも合わせると効きます。
それと、日やけ止めと下地の重ねすぎ。SPFを持っている下地なら、その上に日やけ止めを足す必要は必ずしもありません。ここまで見た3本のうち、ラ ロッシュ ポゼとマキアージュはSPF50+・PA++++です。
層が1つ減れば、固まる機会も1つ減ります。
出てしまった後のリカバリーもあります。VOCEの記事でヘアメイクの金澤美保さんが挙げているのは、化粧水か乳液をコットンに含ませて拭き取り、そこから塗り直す方法です。指でこすって落とすより早く済みます。

正直なところ、ここまでやっても出るとき
この記事で「この下地なら絶対に出ません」とは書けません。理由は単純で、材料をまったく持たない下地が存在しないからです。
- 高機能な下地ほど材料が増える……崩れにくさ、うるおい、UV防御を1本で担うほど、とろみを作る成分と粉体の両方が必要になる
- 下地を替えても、前が変わらなければ結果は変わらない……原因が最後のスキンケアにあるなら、そこを1品減らすほうが早い
- 肌の側の理由もある……乾燥で角質が硬くなっている、前日のメイクが残っている、という指摘がある
- ファンデや仕上げの粉が原因のこともある……下地の段階では出ず、上を重ねた瞬間に出るなら、疑うのは下地ではない
切り分けの目安はひとつです。下地を塗った時点で出るなら、下地とその前の組み合わせ。ファンデや粉をのせてから出るなら、上の層。この2つは別の問題として扱ったほうが早く終わります。
それと、モロモロと毛穴落ちは別の現象です。時間がたってから毛穴が目立ってくるほうが気になるなら、下地の選び方も変わります(プチプラの高保湿下地と毛穴落ちの記事にまとめています)。
よくある質問

編集部の注記
本記事は、ラ ロッシュ ポゼ・資生堂・メイベリン ニューヨーク各社が公開している製品情報と全成分表示、@cosme・LIPSのクチコミ、美容メディアVOCE(成分監修・竹岡篤史さん/ヘアメイク金澤美保さん)およびオルビス公式サイトの解説をもとに、編集部が読み比べて整理したものです。特定の商品を使用した体験レビューではありません。クチコミはすべて編集部による要約で、原文の引用ではありません。成分の照合は各社が公開している全成分表示の記載順に基づくもので、モロモロの発生を保証・否定するものではありません。掲載している価格は各社の定価(税込)で、販売店ごとの実売価格とは異なります。最終更新:2026年7月。




